屋台ギャラリー


屋台ギャラリーの、その2です。

五色連(池町) 正面 11.五色連(池町) 正面全景

 御簾脇と欄間の構図がうまく融合した屋台はいくつかありますが、池町もその一つに入れていいかと思います。
 全体的にふっくらとしたボリュームがあるけれど、決して彫りの甘い手抜き仕事ではない、そんなことを感じさせてくれます。


元組(元目) 破風彫刻 12.元組(元目町) 後面鬼板と脇障子

 「源氏物語」・「李鉄拐と劉海蟾」・「二十四孝」など、ちょっと挙げれば昔話以外のネタもいくらでもあります。
 元目は正面の破風がこの「黄石公と張良の兵法譲り」、見送りが「司馬温公の甕割り」、中国ネタがうまくあしらわれています。
 それにしても鬼板と懸魚の構図の妙が素晴らしいですね!

イ組(下池川町) 欄間周辺 13.イ組(下池川町) 欄間周辺

 欄間もきれいですが、斗組や虹梁の塗りにも注目してください。朱と臙脂、さらに螺鈿細工です。
 浜松は白木の屋台が多いせいか、塗師の仕事にはあまり注目される機会がなかったようですが、塗師の仕事も決して侮れません。
 宮大工、彫刻師の仕事だけでなく、塗師や箔師、彫金師の仕事も大切にしたいですね。

塩組(塩町) 一層鬼板・懸魚 14.塩組(塩町) 鬼板・懸魚

 私の某友人は、優れた彫刻を形容する際「木を無駄遣いしている」と言います。
 「向こうが透けて見えるほどしっかり彫りぬいて、原木の重さの数分の一になるまで細かく彫り込めた物が優れたものである」とのこと。  牛若と天狗……人物をたくさんあしらった上に向こうが透けて見える、これもその一例でしょうか。

中組(中澤町) 欄間 15.中組(中澤町) 欄間

 昔話の彫刻の一例として、中澤の「かぐや姫」です。
 隣り合ったもう1枚にかぐや姫の昇天シーンがありましたが、そちらのほうを撮った方が良かったかな?

大組(大工町) 正面 16.大組(大工町) 正面

 前屋?向拝?二層で段違いの破風が付いている、複雑な形の屋台です。
 正面の御簾脇に注目してください。龍虎の取り合わせはよく見かけますが、龍と獅子です。
 向こう側に張道陵仙人が居て、その乗騎に獅子なら話は分かりますが、その様子もなし。
 定番にしなかったのは、彫刻師さんに何か思うところがあったのでしょうか?

高林組 御簾脇 17.高林組(高林町) 正面

 「彫刻のテーマが完全に統一した屋台を作る。そのテーマは『二十四孝』」高林の屋台のコンセプトだそうです。
 ちなみにここは董永の仙女嫁取りの話です。
 今まで屋台彫刻を統一したテーマでまとめた屋台がほとんど無かったというのも不思議な話ですが、構図もきれいだし設計思想も優れているし……
 屋台建造の際の町と職人衆のコンセンサスがよく取れていた証拠です。

砂組(砂山) 御簾脇 18.砂組(砂山町) 正面

 「ウチの若い衆、傷つけるのを恐がってここの彫刻の手入れをやりたがらんだよ」とは知人の砂山の監督の弁。
 御簾脇〜欄間にかけての構図の完成度で言うと、ここ砂山の「鉄拐仙人と蝦蟇仙人」を第一に推す人は多いでしょう。
 構図がこれだけきれいにつながって、まとまっていると、見栄えがしますもんね。


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 なお、各組の屋台担当の皆さん、棟梁や彫師、意匠について間違いがありましたら、すぐに連絡を下さい。また、「うちの屋台のこの彫物が自慢だ」とか、「この破風を見てくれ」ってのがあったら、写真と一緒に情報をお寄せください。屋台情報のメールはへお願いします。
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