・乗せ掛け
糸を送っていない凧の糸の上で糸をどんどん送る。すると凧は風に乗って遠くへ行くが、糸は自分自身の重みで緩やかに相手の糸の上へ乗っかりながら送られていく。
糸が乗ったところには大きな摩擦が生まれ、ピンポイントで相手の糸をすり減らす。
麻の焼け焦げるにおい。
白煙。
地上にいるわれわれにも聞こえてくる「バツン」という音
「やった、切ったぞ。」喚声が上がる。
タチ凧の技術を知り尽くした、職人級の仕事だ。
「そらー!気い抜くなよー!」
合戦が始まった糸先はまさに修羅場である。
・吊上げ(つりあげ)
今度は相手の糸の下にもぐりこむ。
「ん?あの凧糸目がおかしいんじゃないの?風に対して横向きで飛んでるじゃん。」
そう思っている相手の組の糸先を驚かすようにいきなり糸を引く。
凧は風に対してノシて行き、相手の糸を吊り上げる。
これだけでも相手の凧は揚力を失い、緩やかに下りてしまうが、それだけで容赦なんてしない。
相手の糸は折れ曲がって弱くなり、十分に出した糸をガンガン引っ張り、やはり摩擦力で相手の糸を切ってしまう。
力はかかるが、吊り上げが成功したときは、「うまく行ったぞ」という達成感が大きい。