ヤマハのスピーカー『NS‐1000MM』



つい先日、スピーカー買う話が出て・・・。
前に、システムコンポとして使っていた少し故障気味のパイオニアのステレオアンプ『SA−6800U』があったので、そいつと接続させて使おうかと計画。
(なぜ新しいアンプに取り替えたのかはエッセイ『新アンプ』のページを見ていただくと詳しく書いてあるのでここでは省略。)
「機械ものは活用しないと錆びて完全にダメになるぞ。」って、親父も脅してくるものだから、自分もその気になって、一応妥協した。
付け替えて時々実験してみたりもしたいので捨てる気持ちにはなれず。かといって、これ以上ゴチャゴチャと2台のアンプをそれぞれ別の部屋でうるさく鳴らすのもどうかとは思ったのだが・・・。
考えに考え抜いて、実行に踏み切った。

僕には再現してみたいオーディオサウンドがまだいくつかある。
遠い昔、タクシーの中で聞いた爽やかで居心地のいい演歌サウンドがそのあこがれのひとつ。
それから、だいぶ前になるが、一度オーディオショップで見かけたメチャクチャきらびやかなパーカッションで実に個性的な音がしていたヤマハの『NS−100M』スピーカー。憎いことに、イコライザーを上げ下げしてもトーンコントロールをいじっても何しても、自分のステレオでは到底出せないような魅惑的な音で、ほれぼれしてしまった。
どちらにせよ、中古屋にでも行って、万一『NS−100M』なんかを見つけたら絶対に買って来よう。なければ何も買うまい。この話はなかったことに・・・と道中、心の中で叫んでいた。

そうしたところ、ちょうどそれとよく似たのが、とある中古屋に置いてあった!

今、洋室で使っているヤマハの『AX−596』アンプが比較的分厚く落ち着いた音質であるのに対し、
一方の今度再び使用するパイオニアの『SA−6800U』アンプは、めっぽう明るい音なので、そいつを殺したくはなく明るさを強調すべく生かすべきだとして、このスピーカーでなら明るさをなんとかうまくカバーしてくれるだろう・・・
そう信じて結局、あこがれの『NS−100M』と同類の、ロングセラーとして人気の高かった『NS−1000M』を小型にしたような、『M』がひとつ余計についた新品同様の『NS−1000MM』に決め、だが待て、とブレーキかけることもなく、そそくさと買ってきてしまったのだった。

喜び勇んで店を出、帰ってさっそくシステムを寝床に設置。
遊び道具が増え、退屈するどころか、耳がいくつあっても足りないといった有様。
右チャンネルが故障していて聴こえにくく危なげで、あわや粗大ゴミか中古屋行きになるところだったパイオニアのステレオアンプもめでたく、どうにか復活!
『NS−1000MM』も、見た目は全然わるくない。形がまたレトロ風でとてもいい感じだ。

実際に音を出してみた・・・♪稲垣潤一《雨のリグレット》・・・
ところが、想像していたのとずいぶん違っていて、びっくり仰天! 
僕のアンプの音の影響なのか、そもそもヤマハの『NS−1000MM』自体がこういう音色なのか、僕の望んでいたドンシャリ気味の、あくどいイメージでは全然なく、明るさ一点張りの、素直で歯切れの良い音が飛び出してきた!
別に、明るさを望んでなかったわけではないが、まさかこれほどまでに明るいものとは思わなかった。
そういえば、店の係り員も、「素直な音で人気がある・・・」と話してたっけ。
なのでその場できっぱりあきらめて、もう少しじっくり考えてから買うべきだったのか、どうか!?
なんとか買わせようとしたのか、それとも知らなかったのか。『100M』よりも『1000MM』のほうがグレードが上だ、などと偽り、たまにごまかす事もあろうが、音が素直なのは確かで、そんなことでいちいち店員がウソをつくとは思えない。
それにしても、あとで調べて気づいたのだが、かつてオーディオショップで見た『NS−100M』はかなり本格的なもので、今回僕が購入した『NS−1000MM』とは比べ物にならないくらい、大きさも重さも全然違っているし、価格も倍以上の差があったとは。研究不足であり、僕もうっかりしていた。
いっそのことバスレフ方式で、それこそドンシャリ風の破れかぶれなまったく別の音を狙ったほうがまだマシだったか!?

やがて寝床に着き、再びスイッチを入れた。♪ミュージック・スクエア・・・
はじめは望みどおりのサウンドが得られずがっかりしたはずだったが、聴いていると、どうしたものか、パイオニアのシステムコンポ『PROJECT−700』の馴染み深いあの明快なサウンドが見事なまでによみがえってきたのだった。
とにかく懐かしい!!
パイオニアのアンプ『SA−6800U』でドライブするヤマハのスピーカー『NS−1000MM』のサウンドはまさに純真。キラキラ輝いてまるで宝石箱のよう。
ラウドネスをかけ、さらにバランス良好!!
就寝時刻もとっくに過ぎたというのに、FMラジオをこのままずーっとつけっ放しにして聴いていたいという欲求に駆られた。
やー、こんな感動のしかたもありなんだぁ。なにも、変わった音を求めるだけが能じゃない。と、しみじみ自分に言い聞かせつつ、なんかしばらく会ってない恋人にでも出会ったかのようなそんな不思議な気分さえ味わわせてくれた。
もー、嬉しくて嬉しくて。その夜はなかなか寝つけず、もだえ苦しんだ。  (2007・09・22)

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世界的に有名で一度は使ってみたいと願っていたタンノイ製のスピーカー、『マーキュリーM2』も候補に挙がっていたことはいたのだが、ネットの記事などを読んでいて、現存のサウンドと同じになる可能性が高かったので、やめた。
スピーカー買ったはいいけれど、オーディオ装置が寝床にひと組増えたことによる心理的影響は大きく、ついには洋室で丸く収まっていたものも丸く収まらなくなり、次々と問題を引き起こす・・・。
とっかえひっかえの始まりか!?
僕の場合、買う前より、買ったあとで古いオーディオ雑誌をめくっては、ああでもない、こうでもないと、悩みふけってしまうから困ったものだ。でも、そうしたことが僕の唯一の楽しみだったりもする。
ヤマハのミニスピーカー『NS−1000MM』だからこそできた芸当なのか? 昔のパイオニアのシステムコンポの一部であるプリメインアンプ『SA−6800U』の明快な音が復活した喜びはなんとも筆舌に尽くしがたく、またそれ以上に広がりのある美しいサウンドが聴かれ満足はしているものの、反面、個性的な音を求められず、少し悔いが残り気持ちは複雑だ。
うちに、パイオニアの『CS‐F700 』、テクニクスの『SB‐X01 』、今回のヤマハの『NS‐1000MM』と、ひと組くらいおかしなのがあってもよさそうなものなのだが、比較的まじめな音のするスピーカーばかり3機種揃った。(正確には座敷にある規格の異なるミニコンポも合わせて4機種。)
オーディオの時代も終わり、状況が一変してしまってなんとも寂しい限りだけれど、スピーカーというのはやはりオーディオショップで実際に聴いてみてから買わないとダメだな。
でも、さすがに一度お耳にかかり、あこがれだったヤマハの『NS‐100M 』・・・に似た『NS−1000MM』は、だいたいのサウンド予想がついていただけに逃す手はなかった。予想は見事にはずれてしまったが・・・。
売り切れるのがしゃくというより、パイオニアのアンプ『SA−6800U』でドライブするのならこのスピーカーが打って付け。全体のバランスよりも、華やかさ重視でこれしかない、と、すかさず考えたはずだったのだが・・・。
そんなこんなで悔いが残るなか、今もなおさら、店にバスレフ型のいかにも個性的な音のするような安っぽくてうまそうなスピーカーがズラッと並んでいて、どれでもいいから片っ端から買ってつないで実験してみたいというガムシャラな気持ちが渦を巻き、頭を悩ます。。。
しかし、中古でどこの馬の骨が使ったかもわからないような汚れたのを預けられても、ちゃんと鳴らなかったり、いくら変わった音がしても気に入らなかったりしたら、それこそイヤだ。安物買いの銭失いでなんにもならない。
しかしまた、パイオニアのステレオアンプが自然でフラットな音質である以上、個性を求めたとしても限度があり、タカが知れているし無駄だと考える。
それにひとつの部屋にスピーカーをいくつも並べてみたところで混乱するばかりでどうなるわけでもなし。それでなくてさえ増やすかどうするか決め兼ねていたくらいなのだから。
今回のように、ある程度新品に近く、名の通ってれっきとしたブランド品的なヤツなら安心して買い求められ、まず間違いはなかろうというものだ。
いずれにしても、ヤマハの『NS‐1000MM』の素晴らしいサウンドを堪能し、さらに失ったものを取り戻せたという意味で今度の買い物は、聴いてよし、眺めてよし、で成功したと断言したい。 (2007・09・25)

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オーディオ装置をもう一式、寝床に設け、夜がいよいよ楽しみなものとなった今日この頃だが・・・
ポール・モーリアを聴いた。
透明で鮮明!
夜なのに目の覚めるようなキレのいいスカッとした音色!
別室にあるテクニクスの『SB‐X01』の音とはエライ違いで、まるっきり正反対の音で鳴ってくるからおもしろい。
『NS‐1000MM』は、よく低音不足とささやかれ、中古屋の店員が言うのと裏腹で人気も今ひとつのようだけど、僕の場合、オールディーズや映画音楽、ディスコサウンドなど低音を要求するものを別として、イージー・リスニングやクラシック音楽の懐かしいのに限って言うと、重低音は願い下げだ。別にコンサートホールのドデカイ音を狙っているわけではないのだから、低音があまりズシンズシン響きすぎるようなのではちと困る。懐かしさが聴けたらそれでいい。ポール・モーリア自体も新録音のものより、昔のナローレンジ的なもののほうが、特に、『愛のためいき』、『ジス・ガイ』など、素朴な味わいがあって好きだ。
どうやらこのスピーカー、イージー・リスニングやクラシックに最適でちょっとは手放せない存在になりそう。J・ポップもたいへん軽やかにスピーディーで、しかとイケル。
おそらく一生大事に使っていかねばならぬミニスピーカー。財布の軽い僕にしてみりゃ購入後も真剣そのもので、オーディオ雑誌めくっては、考えて、考えて、考えて・・・・これぞ持つべきスピーカー! というのでやっとの思いで決着がついたばかりだというのに、ネットの記事を閲覧していて少々水を差すようなカラ〜イ発言箇所を見つけてしまったので付け加えておく。

『近年、ヤマハはどうでもいいような安っぽいAV用スピーカーにNS1000MMなる型番を与えていますが、これは1000Mを侮辱している・・・・』

と言うことらしいんですが、本当にどうでもいいようなものなんでしょうか?
『1000MM』を指して、いくらなんでも、どうでもいいような、はないと思う。
あこがれの『100M』との違いもろくに見極めもせず、せっかくいいと思って早々と買ったまではいいが、見事期待はずれになってしまって嬉しいのか悔しいのか悲しいのかいまだわけわからぬ『1000MM』を前に、そんな文句を叩かれると、僕としては、もー、しゃくでしゃくで。やはり失敗だったろうか、と思わずにいられない。
どれほど素晴らしい音で鳴るか知れないけれども、正式な大型の『1000M』をお使いになっている先方からすると、小型がいかにちっぽけでどうでもいいようなものに映るか容易に想像がつく。
しかし、世界の名だたるヤマハ側だって、どうでもいいようないい加減なものをわざわざ苦労してまでこしらえることはないと思うし、吹けば飛んじゃうようなAV用に開発したといっても、外観も中身もかなりしっかりしたスピーカーで、他の追随を許さず主張もはっきりしていて、音作りに対する厳しい姿勢が如実にうかがえるというもの。実際に聴いてみても、これは明らかだ。分野は違えど、同じ物作りに携わる自分だからこそわかることだってある。
それとも、時代の流れもあるのだろうけど、金儲けのために、どうでもいいようなものを仕方なしに無理矢理作らせたとでもいうのかね!?
さらに先方に言わせてもらうと、それこそ逆に、『1000MM』ミニスピーカーを侮辱している! 小型だからといってバカにしてはいけない。
このとおり、ちゃんと立派に響いているぞ!
特に、バイオリンの音のこの生々しさよ!
さては、『NS‐1000MM』の音をまだ聴いたことがないとみえる。 聴いたとしても、そうとうオンボロで貧弱なアンプをお使いになっているに違いない。
何度も繰り返すようだが、どうでもいいような、などとはあんまりです。
(すべて実話であるゆえ、ウソが書けず、ケンカ腰になってしまったこと、先方にお許しを。)

あと、ほんの少しの差ではあろうけれども、同じスピーカーでもアンプで音が変わる、という興味深い例をここで紹介しておこう。

『・・・結構まともに鳴ってくれた、
サイズから低音は期待できないが
小さなSPによくある無理やり出した
ような低音だったらこっちの方がいい。
箱鳴りのような不快な中音は押えられていて
ボーカルは物足りないものの聴きやすく
スケール感のある細かい音が気持ちいい。・・・』(『楽しいB級趣味』サイトより)

ということで、僕のヤツだと反対にボーカルがかなり明るく張り出してきてしかもピュアーな感じがするけど、B太郎さんのはまさしくオーディオショップで試聴したあこがれの『NS‐100M』サウンドのイメージにそっくり!
これで、『1000MM』がますます手放せない存在となり、アンプ交換などして理想のサウンドに近づけていくという望みをつないだ。
『楽しいB級趣味』サイトの文書を久々に読み返してみて、僕はずいぶん救われた気がする。
B太郎さん、ありがとう! (2007・10・04)



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