ヒトには名前がある。
モノにも名前がある。
すべての事物には必ず名前がついている。
良い名前、変な名前、いろいろである。
名前はヒトやモノの一生を左右することもある。
だから子供に「騎士」と書いて「ナイト」と読ませるような名前は遠慮願いたい。
どうせなら、「東洋一」と書いて「とよかず」くらいのひねりが欲しいもの。(実在します。)
人の名前をうんぬんしだすとスペースがいくらあっても足りないので、
とりあえず最近気になったモノの名前について考察する。
先日、雑誌を見ているとヨーロッパ向け自動車誌の記事が目に入った。
その記事をよく見ると、自分の車と同じパジェロ・イオの広告が載っている。
その広告の片隅には「Shogun」の文字が。
・・・え、将軍? ぼくのパジェロ・イオは、海外ではショーグンっていうの?
なぜだろう、すごく恥ずかしーい気分になるじゃないか。
しかし、ほかに車名らしき文字は見あたらない。
「どう、今年のクリスマス休暇はオレのショーグンでスキーに行かないかい?」
と、同僚のOLに声を掛けるフランス人青年も、きっと海の向こうには存在しているに違いない。
もちろん「君のショーグンはガソリン大食いだねえ」なんて、
交通費を計算している経理担当にも言われるだろうし、
「何度もショーグンの中でケンカしたり、愛を語ったりしたわ」なんて、
かつてフランス青年とスキーに行った奥さんが、
5年後くらいに子供へ語ったりもしてしまうのである。
海の向こうのショーグンは実に多忙だ。
そして、なぜだか全くわからないが、グリコのポッキーは「MIKADO」という名称で
売られている。ミカド、御門、帝。
「このミカドの歯ごたえがいいんだよね」
「わたしはミカドの甘い部分が好きだわ」
などという会話が思い浮かぶ。
元・憲兵隊のおじいさまが、海外旅行へ行ってこんな会話を聞いたら
「なんと不届きな! そこへ直れ、この鬼畜米英!」と思うかも知れないし、
「帝を手づかみにして喰うんだもんなあ、勝てるわけねえよなあ」と、
むしろ、戦争に負けたことを実感するのかも知れない。
なんにしても、日本製品に「サムライ」とか「ニンジャ」とか、
武家社会な名前とか和風な名前を付けることは珍しくないのだけど、
それこそ平和の証拠なんじゃないかなあと思う。