初めて園芸をやりたいと思う人は、タネや苗をどこに売っているか、また行きずりに見かけた店で売っている商品を買ってもいい物か、困る人も多いでしょう。
先日家の近くを歩いていたら、自動車の運転席から「このあたりにたばこ屋はありますか」と聞かれました。最近、特に相良のような田舎では商店の数が漸減していますが、たばこ屋くらいは何十軒もあるはずです。しかし私自身たばこは全く吸わないので、たばこ屋は一軒も知りません。
草花・ハーブの種子は最近はある程度の大きさの種苗店やホームセンターな
どでも買うことができますが、店によって売っている種類は数種類から20種く
らいです。もっとたくさんの種類が欲しい人は、専門店に行くか、通信販売を利
用できます。ただ、よく売られているハーブや草花の方が、栽培しやすく、利用価値も高いのです。
一般のハーブ種子の袋は1袋200円くらいです。草花のタネは、150円から200円のポピュラーなもののほかに、300円から500円の高級種があります。高級酒はF1(一代交配種)や矮性種、色の鮮やかなものや今年の新品種などですが、初めての方は安いタネから始めるのがいいと思います。
1袋には、 小粒の種子で百粒
から2百粒、大粒の物や樹木の種子、貴重な種子などでは10粒くらいの物があ
ります。サカタのタネの種子の袋には発芽率を加味して、どのくらいの苗が得ら
れるかのおおよその目安が書かれており、またラムズイヤーシーズではカタログ
と袋におおよその粒数が印刷されています。
発芽率は草花や野菜類で70〜80%ハーブはそれに比べるとやや低く、
条件がよくても50%くらいです。樹木の種子はさらに悪く、数十粒入っていて、1本でも出れば幸運というのもあります。シソ科・セリ科・キク科などの草本類はだい
たいこの程度は生えますが、木本類はマメ科のエニシダをのぞいて概して悪く、また草本でもセンテッド・ゼラニウ
ムやキンポウゲ科のものは発芽がよくありません。種子を播いて育てることに興
味のある人は別ですが、木本なら1本あれば十分なので、苗から買うほうがいい
と思います。苗は一本数百円で、下記蓼科ハーバルノートでかなり珍しいハ
ーブ苗が手に入ります。
磯キリンがよく利用している店や通信販売の店を書いておきます。
通販で種子を注文するときは。通販のカタログは、春と秋の園芸シーズンに逢わせて発行されています。サカ
タのタネやタキイ種苗など大手のものは春の園芸用が12月中下旬、初から秋の
園芸用が6月上旬に発行されますが、中小の会社のものはそれより遅く、春が2
月頃、秋が8月のところが多いようです。また1年に1回発行のものもあります
。
種苗の通販に限って、代金は振替などで先払いです。インターネットの園芸ショップを除き、代引やカード決済はできません。商品の返品はききませ
ん。
ほかに、多年草のほとんどが春播きで栽培できます。また気候はだんだん暖かく
なっていくので、もし種まきに失敗しても、やり直しができるので、園芸が初
めての人は、春に始めるのがいいでしょう。
通販の場合、苗に関しては注文締め切り日が指定されているものがあります
。タネの場合は5月中旬頃が注文締め切り日になっているものが多いようです。朝顔、孔雀草、コスモスなどは7月中旬ころまで播けるので、もし失敗したり追加が欲しいときは、大きな園芸店の店頭には残っていることがあります。
振り替えは、送金の代金が安いのが取り柄ですが、相手に到着するまでに1週間
以上かかることがあるので(特にゴールデンウィークの時は注意)、注文締め切
り日の十日くらい前までに注文した方がいいと思います。また、新品種や人気品
種などでは、早いうちに品切れなってしまう商品もありますので、カタログを入手し
たらなるべく早く注文するに越したことはありません。
園芸店などで苗を購入する場合、当然いいものから売れていくので、こまめ
にショップを訪ね、気に入ったものがあったら迷わず購入すべきです。ホームセ
ンターなどでは、種苗の「在庫一掃セール」などをやるところもありますが、あ
まりおすすめできません。種子は牧戸期ぎりぎりまでおいてある店と、春巻き用
を4月いっぱいで片づけてしまうところなどもありますので、2月か3月にめぼ
しいところは回っておくといいでしょう。
カタログのどこかに、「営業案内」あるいは「ご注文規定」などと書かれた
ところがあります。どうせ業者の都合のいいことしか掻いてありませんが、読ん
でおきましょう。特に送料のこと(タキイは無料だが坂田は有料です)、注文品
が品切れの時の処理法などは重要です。
大きなショップや通販をしている種苗会社を参考までに書いておきます。
國華園(こっかえん) 〒594-1192
大阪府和泉市善正町10
広島県新市町の精興園とともに、菊の育種では最も有名なところです。1927年の創業で、現在では厚物・管物などの大菊をはじめとする観賞菊や、切り花用や花壇用の菊はもちろん、草花のタネ、球根、草花の苗、洋蘭、花木、果樹から園芸用品・家庭雑貨に至るまでの豊富な商品を扱っています。タネは一袋50円から、園芸用品なども物によっては思い切った浪花のど根性価格で販売され、種苗もサカタやタキイにyはない珍しい物がかなりあります。カタログはB4版の特大型で、電話または手紙で連絡すると無料で送ってくれます。
(株)サカタのタネ 〒224 横浜市都筑区仲町台2の7の1 電話045(945)8824
現在日本で一番大きい種苗会社。通信販売の他に売店が横浜市神奈川区の東横
線反町(たんまち)駅の南側にあります。草花の改良、特にペチュニアでは世界
的に有名です。パンジ−やインパティエンスなどの花壇・鉢物用の高級草花にも優れたものが多数あります。ハーブの種子は30種くらいです。次のタキイもそうですが、5
月下旬と12月中旬に次の季節のカタログが発行され、新聞によく広告が出ます
ので、園芸の好きな人なら一度取ってみるといいと思います。年会費2300円
くらいで、月刊の雑誌と春秋のカタログを送ってもらえる「友の会」があり、
会員は草花の種苗に限って一割引で商品を購入できます。カタログは有料(送料
とも300円)ですが、B5判130ページで、オールカラーです。
タキイ種苗(株) 〒600-8686 京都市下京区梅小路 電話 075(365)0123
カタログによる通信販売を日本で初めて行った業者で、その歴史は百十年以上
。今でこそ通販は盛んですが、趣味性の高い“農産種苗”は、郵便料金が安いことも
あり、古くから通販の対象でした。野菜の改良で有名で、「長岡交配”は野菜のスタンダ−ド・ナンバ−となっています。草花のタネは春と秋であわせて300種くらいです。ハーブの種子は20種
類くらい。通販の他に京都の河原町三条と東京の神田神保町の靖国通り北側(三
省堂の少し西)に売店があります。ここにもサカタのタネと同じような友の会が
あり、雑誌はオールカラーでこちらのほうが立派です。カタログは300円で、花
の号と野菜の号があります。
(有)蓼科(たてしな)ハーバルノート 〒391-0213 長野県茅野市豊平1084 電話0266-76-2282
まだハーブがあまり一般的でなかった1970年創業の、斯界の嚆矢といって良い
老舗です。ハーブの種苗の他、ティー数百種・化粧品・エキス:アロマテラピー
に使うエッセンスなど、ハーブに関連した商品を総合的に扱う商社で、自園でも
栽培しています。また自社にハーブを中心にしたレストランと売店を経営し、イヴェン
トや講習会などの文化活動も行っています。品揃えの豊富さは、カタログがコピ
ー紙50枚以上にびっしりと詰め込まれているのでもわかります。カタログによ
る通販をしており、350種ほどの種子とそれと同じくらいの苗があります。、カ
タログも種子の袋も英名と学名が書かれているだけなので、よほど植物学の知識
がないと注文しにくいかもしれませんが、ハーブの好きな女性たちで作っている
会社らしく、電話でも丁寧に応対してくれ、質問にも答えてくれます。またこの
会社で編集した池田書店の「ハーブ・ハンドブック」をここから通信販売で買え
るので、まずそれを注文して、種苗はそれを参考にして選んで買うといいでしょ
う。もちろんこのページにある「英名による植物名索引」や、「学名順植物名索
引」も参考にしてください。なお、Infoseekなど各ページの中身まで検索するエ
ンジンがありますが、それを起動して学名を打ち込めば、「学名による植物名索
引」が出てきます(ただし慣れていない方には、学名を正しい綴りで打ち込むの
は大変かもしれません)。タネは一袋200円均一。苗は200円から500円くらいです。
先日ここのショップを訪ねてみましたが、店の奥にはハーブやスパイスをたっぷり使ったカレーなどが楽しめるレストランがあり、ハーブティーも飲めます。天井が高い山小屋風で、信濃路の旅行に組み込めば、とてもいい思い出になると思います。ハーブティー数百種類を始め、タネや苗などハーブ関連の品揃えはおそらくここの右に出るものはそうないと思います。ちょっと交通の便の悪いのが難点ですが、ハーブに興味があるなら山梨・長野方面にお出かけの時訪ねてみるのもよいと思います。
ラムズイヤーシーズ 〒206-0022 東京都多摩市聖ヶ丘1の19の2の204 電話0423-74-1658
世界から数百種の草花・野菜・ハーブやワイルドフラワー(早い話が外国産
の雑草)の種子を輸入・販売している個人のショップ。さすがに珍しい物や木本
類などになるとほとんど発芽しない代物もありますが、ポピュラーな品種はよく発芽し
ます。カタログに蒔き時など簡単な説明が書かれているが、詳しくは書籍で調べ
るように、カタログに参考書のリストが書いてあります。カタログは有料で32
0円。切手で送るか郵便振替00100-2-196368に代金を送ると、カタログを送って
くれます。種苗会社が一年草までも苗で販売し、種子にあまり力を入れなくなっ
た現在、園芸おたくにとってはかなりおもしろいショップです。
兜ス和園 〒632-0016 奈良県天理市川原城町843 電話0743-63-0303 戦 後まもなく開業し、外国から積極的に新しい草花の導入を進めてきた会社で、球 根類と草花種子、それにユーカリやアカシアなど南アフリカやオーストラリア産 の花木のタネを扱っています。チューリップ・ユリ・水仙・グラジオラスなどの内外 の優れた品種の紹介に貢献している。年2回通販のカタログを出していますが、農 家また種苗店などの営利用で、一般の人には取扱単位が大きすぎる のが難点です。例えばチューリップは百球単位。タネは一袋千円以上のものが多い。脱サラし て花卉園芸に取り組みたい人にはお勧め。
海外編
外国からタネを買っても、うまく生えない、あるいは育たないと思っている方が多いようです。その前にやはり「個人輸入」は難しいのではないかと言うことで躊躇する人が多いかもしれません。
欧米のカタログを開いてみると、植物名や科名は全部ラテン語の学名、おまけに園芸の専門語が多く、わかりにくいかもしれません。このページの中にある学名による植物名索引、ガーデニング英和辞典、ラテン語植物科名索引などをご活用ください。
発芽・生育に関しては、現在国内で売られている草花のタネもスイ−トピ−やマリ−ゴ−ルドなどは国内で生産されておらず、他の品種もかなりの部分が輸入に頼っているほどで、欧米の評価の高い種苗会社はサカタやタキイに勝るとも劣らない品質のタネを供給しています。それに、日本ではタネで入手できるのはほとんどが1,2年草ですが、海外には樹木、庭木、松柏類からサボテン、多肉植物、球根、シダ類まで、タネから増やせるものは何でもそろっているところがあります。品揃えもサカタ・タキイが3〜400種(農家向けの野菜種子をのぞく)にしかすぎないのに、数千から万を越える品揃えの所まであり、文字通り桁が違います。さすがに発芽率などは1,2年草の草花より劣りますが、大きな樹木の芽生えは実に感動的です。
2000年はミレニアムでだいぶにぎやかだったのですが、松柏類には数千年の寿命を持つ物もありますから、あなたがまいたタネが次のミレニアム、いや数回あとのミレニアムまで生きているかもしれません(晩秋に取り寄せて数種類播いてみましたが、松、糸杉、メタセコイアなども少なくとも一袋2,3粒は発芽します)
Thompson & Morgan 英国に1855年に設立された種苗会社。192ページあるカタログの全て
が草花または野菜のタネで、日本の種苗会社と違って苗や球根、園芸グッズなど
は一切ありません。千数百種の草花、花木のタネが掲載されており、園芸の
好きな人にとってはまさに一見の価値があります。合衆国法人が
ホームページ
Thompson and Morgan - Online Catalogues and Gardening ...
を開設していて、そこからカタログを請求することが出来ます(2000年度からカタログが有料になりました)。タネの価格は2.49 〜4.99ドルくらい(日本円で240〜480円くらい)が中心で、高級鉢物など
にはかなり高いモノがあります。送料は10〜15ドルくらい。商品はクレジッ トカードで決済し、ファックスかエアメールで注文を出すと、1週間から10日くらいで商品が届きます。
Sutton's Seeds
World
Seed : Foxglove Sutton's Apricot
英国王室御用達の会社。上記のラムズイヤーシーズでもカタログを販売しています。カタログはThompson
& Morganとよく似ていて、取扱品目も同程度。英国ではポピュラーな会社で、ロンドンで一番大きなデパート、ハロッズなどでもタネが売られています。
Chiltern Seeds Chilternseeds 4500種ほどのタネを取り扱っています。タネは草花・野菜・ハーブのほか樹木・サボテン・多肉植物・球根類まで(ただし全部タネ!)そろっています。カタログは縦長のサイズで、それに小さな文字でびっしりと書かれています。絵や写真は一枚もなく、もちろんすべて英語、おまけに植物名はラテン語なので、横文字恐怖症の人には勧められませんが、説明文の英語は専門語が少ない簡潔な文章で、おまけに所々にユーモアやウィットが交えてあり、園芸マニアなら隅から隅までずずいと読んでみたくなるカタログです。タネは発芽もよく、海外へも比較的安い送料で送ってくれるので、十数袋以上まとめて注文する人はありきたりの草花の注文でも、かえって国内から買うより安く付くかもしれません。2000年からオンラインカタログも公開し、学名や英語の通称、ラテン語の科名から検索できます。
B&T all Download
Master-List
37、000種ものタネを扱う世界最大のタネ屋。カタログは有料(なんと24ドル!)ですが、絵や写真はおろか、説明文も全くなく、ただ植物名とカタログ番号、それに価格を表すコードが載っているだけで、何とも面白げのないカタログです。それにパッケージのタネの量も多いようで、専門家向きと考えた方がいいかもしれません。。