磯キ

  遠浜 々星にとどけ、ベルカントの紹介

 2003年7月に、処女作「星にとどけ、ベルカント」を発刊することになりました。
 この作品は、弱視者である青年が、ある音楽学校の好意で、初めて健常者と並んで声楽や合唱指揮を勉強し、歌唱指導の「初舞台」を踏むまでの過程をを描いた青春小説です。
 盲学校の同級生の励ましのもと、盲人が故の艱難に遭いながらも、講師や同僚の励ましで、社会的視野を広げ、今までの何倍も心の成長を遂げる主人公。読めばきっと人生が楽しくなる作品です。

 題名 星にとどけベルカント
 著者 遠浜 々(とおはま・のま)
 出版社 東洋出版
 発売日 2003年7月2日
 低下 1200円
 体裁 四六判 246ページ

リンのガーデニング道楽

2004年05月28日

園芸グッズの使い方と買い方

学名による植物名索引 
英名による植物名索引 
あいうえお順植物名索引 
ハーブ・草花のタネをどこで買うか 
ハーブ・草花のタネの播き方 
   はじめに
 最近首都圏でアパートやマンションで暮らしている若い人たちの中には、 まな板や包丁を持っていない人がいると聞いたことがあります。出前 を頼んだり、コンヴィニエンス・ストア、ファーストフード、お弁当屋などで買い食いして いれば、調理器具など無用になりますし、また、鍋物をやりたければ「鍋物セッ ト」がスーパーにあるからだそうです。火事を出す心配がない,刃物でけがをする危険がないのは結構です が、こんな食生活では、「食べる楽しみ」はほとんどないと思います。
 園芸の方でも、小鉢に植えられたつぼみ付きの苗を買ってきて、花が終わっ たら捨ててしまうという「ガーデニング好き」には、道具も何も必要ありません が、やはりタネや球根から花を咲かせてこそ、本当の園芸が楽しめます。マンシ ョンのベランダ園芸などでは、いろいろ買ってきても、置くところに困ったりす るかもしれませんが、小物の道具が一つあるかないかによって、作業の快適さがず いぶん違ってきます。
 ここでは、小生が日頃使っている園芸グッズや、そろえておきたい物など、 いろいろ書いてみました。また、それらの買い方や使い方についても書いてありますので参考にしてください。

    園芸グッズ
 ガーデニング熱の高まりとともに、園芸店、ホームセンターなど、大きな売 場を備えたショップが身近なところに開店するようになっています。また、日本 橋三越の屋上などのように、今までの日本の園芸店にはなかったしゃれたグッズ を取りそろえているところもあります。昔は園芸グッズではなく園芸資材などと いい、店を徘徊しているのは、刑事コロンボ風の野暮ったい身なりの人が大半で したが、こんなスタイルではちょっと恥ずかしい時代になってきました。
 園芸グッズには、価格・大きさ・使用目的など様々な物がありますが、いくつ かにまとめて書いていきたいと思います。

   容器
 中に土を入れて、植物を植えるケースのことです。
 形から見ると、箱、鉢、プランターなどに分けられますが、使い道から見ると、育苗用と観賞用、両用に分けられます。育苗用というのは、タネをまいたり挿し 木をする容器で、さらに小さな苗を大きくするまで植えておく物も言います。そ れに対して観賞用は、植物の植わっている容器を庭や窓辺などに飾り、観賞して 愉しむための容器です。観賞用も以前は草花用には素焼きの煉瓦色の物、蘭や観 葉植物を飾る塗り鉢、それに盆栽用の四角い鉢くらいしかなかったのですが、今 は選り取り見どりで、いったい何に使うのかというようなものまで出回っています。 とりあえず、育苗用の容器から解説します。
 浅鉢 素焼きの煉瓦色の植木鉢ですが、高さが普通の植木鉢より3,4割低くなって います。タネをまいて育てるのにはいちばん安価で丈夫な(ただし当然落とせば割れ ます)容器なので、5寸か6寸の物をいくつか用意しておくと便利です。特に細 かいタネをまくときは、覆土(まいたタネの上に土をかぶせること)をせずに、 下から吸水させますが、丸いプラスチックの受け皿は、安価で入手しやすく、その 点も便利です。6寸の物で百円強で、受け皿も同じくらいの値段です。
 育苗箱 粒の大きなタネをもう少し多くまくときに便利なのが、プラスチック製の育 苗箱です。30cm×40cmくらいの物とその半分くらいの大きさの物があり、標準の 大きさの物で400円か500円くらいです。たくさんまけることと、長方形な ので、並べておいて場所をとらないのが長所です。ただ、猫が糞をしに来ること があるので、苗が大きくなるまで夜はふたをしておくか、虎ばさみを置いて猫が 近づかないようにしておく必要があります。
 ゴールデン・ピートパン 「サカタのタネ」というメーカーが発売していて、大きな種苗店には大概置いてあります。ピート というのは水苔が石炭化した一種の泥炭で、石炭としては、火力が弱い上に、 燃やすと大量の煙が出るため、無尽蔵にあるものの、今まではウイスキーの原料 の麦芽(モルト)を乾燥させるくらいしか使い道がありませんでした。しかし、水持ちが いいので、砂などの乾燥しやすい土壌の改良材として使われるようになりました 。
 本来は強い酸性ですが、これを中和して圧縮成型したもので、週刊誌大で厚さ5cmくらいの箱に 、ピート5個と同数のプラスチックのトレイが入っていて、トレイに水を張って ピートを戻し、それにタネをまいて、必要なものはヴァーミキュライトなどで覆土 して発芽させます。
 何より簡単にタネがまけるのが便利ですが、排水口がないので、水が多すぎる と徒長(モヤシ状になる)したり根腐れを起こしたりするので注意が必要です。
 育苗ポット 黒いビニールでできた植木鉢形の容器で、これに培養土を入れ、発芽した本葉が2〜4枚の小苗をこれに植え付け、根がいっぱいになったら花壇や観賞用の容器に植え付けます 。また、粒の大きなタネや移植を嫌う植物は、これに2,3粒まいて発芽したら 間引いて1本にし、適当な大きさになったら定植します。
 2寸から4寸くらいまであり、100個束ねたものが、大きさにより200 円から300円くらいで買えます。一般には2寸5分のものが使いやすいと思い ます。
 このほかに、ピートをソフトクリームの器のように整形したものがあります。中に培養土を入れ、種まきやさ挿し木などをしてある程度苗が大きくなったら、容器ごと土に植えると容器が溶けて土になってしまうジフィーポットや、紙製のポットなどもありますが、一 般の人にはやや使いにくいと思います。

  観賞用容器
 草花や花木などを植えて、軒先や窓辺などに飾っておくための容器です。ハ ーブや家庭菜園用の野菜類など、「観賞」用とは言えなくても、身近において利 用するにも便利なものです。
 プランター 一昔前までは、観賞用の容器といえば植木鉢のことでしたが、今はプランター の方がポピュラーになってきています。もっとも、植木鉢とプランターの区別が つかないような容器も結構ありますが、比較的大きめのプラスチック製のものを プランターと呼んでいます。
 プランターとしていちばんポピュラーなのは、横60cm、縦と深さが20cmくら いの白い長方形のものです。大量生産されるために価格も安く、バーゲンの時に は1個100円くらいになることもあります。本体の底に排水用の穴が空いて いるだけのものと、底板がセットになっているものがあり、後者の方が使いやす いようです。
 これに市販されている「園芸の土」や「培養土」を15cmくらいの高さに入 れ、パンジーやゼラニウムなどの草花なら普通これに3株か4株植えて軒先な どに飾ります。日晒し、雨ざらしなので、半年か一年使うと縁の方からひびが入 って使えなくなります。値段の高いものでもそれほど寿命があるわけではないよ うです。
 最近、直径30cmくらいの円形の「お椀形」プランターもよく出回っていま す。四角いものだけではセンスがないという人たちに人気があり、長方形のもの と組み合わせて飾ると見栄えがします。白だけでなく、クリーム色・煉瓦色・深 緑などのものもあります。1個に草花3株程度が適当ですが、長方形のものに比 べて、意外に株の配置が難しく、容器全体が花で覆われるようにするには苦心が いります。
 植木鉢 草花の観賞用の容器として、江戸以前からあった植木鉢は、素焼きの煉瓦色の ものが基本です。落とせば当然のことながら割れてしまいますが、丁寧に使えば 意外に丈夫で、表面に泥やコケが付いて汚れたものでも、たわしで強く洗えばき れいになります。また、割れた破片は、鉢底の穴をふさぐために使えますし、さ らに細かくなったら鉢のいちばん下に入れて排水をよくするために使います。ガラス のように破片でけがをすることはあまりなく、環境にもやさしく、一鉢一株とい うのは植物にとっても落ち着きがあっていいものです。
 素焼きのものは、サボテン用の2寸5分くらいのものから1尺を越えるものま で、いろいろな種類がそろっています。普通の草花を植えるなら、4寸から6寸 くらいのものが手頃でしょう。
 古くから日本で栽培されてきた草木には、それぞれ専用の植木鉢もあります。例 えば皐月(さつき)用の鉢は6,7寸の浅鉢ですし、また観賞菊の栽培に使われる菊鉢は、 1尺で、それぞれ周りは黒く、堅焼きになっています。
 素焼きの鉢の周りに上薬をかけて焼き上げ、陶器のような光沢に仕上げてあ るのが塗り鉢です。室内に飾られることが多い観葉植物や蘭などに多く使われて おり、直径に比べて高さがあります。
 軽くて、落としても割れないプラスチックの植木鉢も多く、市販の鉢 物はほとんどプラスチックの鉢になってしまいました。成形が自由で、また様々 な彩色も簡単にできるなどの利点がありますが、通気性が悪く、植物の生育のためには素焼きのものに劣ります。また割れない代わりに、変形したり色があせたり し、使命が終わればやっかいなごみになってしまうのも欠点です。
 焼き物、プラスチック製ともに、スタンド形といって、ワインのグラスのよ うな脚と台が付いた形のものも人気が出てきています。普通のは後ろに並べ て立体的な花壇を作ったり、庭の中央において飾りにしたりするのに用いますが 、ただかっこいいからと言う理由だけで買ってきた場合、案外置き場所などで苦 労します。

    耕作用具
 園芸のことを一名「土いじり」とも言います。そういえば子供というのはどろんこ遊びが大好きで、それがお母さんの悩みの一つになっているわけですが、土や泥をいじることを、いやがる風を見せながら、それでもやはりあの土の暖かみや臭いに惹かれて、土をいじってみたいのは、もしかしたら子供のころのどろんこ遊びへの郷愁があるのかもしれません。ここでは土の中に入れて使うための用具について書いてみましょう。
 移植ごて 土いじりを始めるならまず必要なのが移植ごてです。大きく土を掘り返すためには、鍬(くわ)や鶴嘴(つるはし)、スコップなどが必要ですが、草花の苗や球根を植えるための穴を掘ったり、培養土を袋から鉢に移したりするには、いちばん便利な道具です。値段も安く、家庭園芸には絶対必要な品物の一つです。
 子供の遊び用の、ブリキでできた1個百円前後のものから、木の柄が付いたステンレス鋼でできた数百円のものまであります。大きさは標準的なものを中心に、かなり小さなものから大きなものまで何種類かあります。
 安いものは所詮おもちゃで、300円から500円くらいのものでないと使いものになりません。まず標準型のものを用意しましょう。首のところで折れ曲がってしまわないように、金具の背の首の部分に裏打ちのあるものがありますが、標準的な価格の品ならなくてもまず曲がる心配はありません。また、柄の頭に、つるしておくための金具が付いているものがありますが、作業中に手のひらに当たって擦り傷を負うことがあり、かえって不便です。
 草花やハーブをタネから育てるようになったら、刃の幅が2cmくらいの、小苗を移植するためのこても用意しておきましょう。
 土すくい 茶筒をハスに切り落としたような形の金属製の道具です。培養土を移植ごてですくうと、少し外にこぼれてしまいますが、これがあると無駄なくすくい取ることが出来ます。1個500円くらいで、西武百貨店の「無印良品」ブランドの売場にあります。
 鍬(くわ) 昔はお百姓さんというと鍬を担いでいる姿を連想したほど、農作業に欠かせない道具です。普通の鍬を平鍬(ひらぐわ)といい、そのほかに刃の部分がフォークのように3本の刃からなっている備中鍬(びっちゅうぐわ)と言うのもよく使われます。
 鍬はホームセンターや園芸店でも売っていますが、農機具を扱っている店の方がいいものが入手できます。農家の人で親しくしている人がいたら、一緒に行ってもらって買うのがいいと思います。2千円くらいから5千円くらいで売っていますが、やはり安いものはちょっとした石などに当たると欠けてしまったりしますので、ある程度高価なものの方がかえってお買い得と言うことになります。
 スコップ よく移植ごてのことをスコップという人がいますが、刃の部分の長さが30cm以上あるものがスコップです。土を大きく掘り返すときに使います。手を使うだけでなく、刃の縁の所に足を乗せて、力を入れて圧すようにして使います。刃の部分はクロームや真鍮でできているものが多いようですが、これもある程度値段の張るものの方が使いやすいと思います。
 なお、これらの農機具は、使った後は泥をよく洗って落とし、雨が当たらない風通しのよいところに立てかけておきます。
 鎌(かま) 地面で園芸を愉しんでいると、いちばん気になるのが雑草です。「雑草のように」という言葉がありますが、なぜこんな所に生えるのかと思うほど、雑草の生命力はたくましく、抜いても抜いても生えてくる生命力は、まさに園芸愛好家との根比べになります。
 そのために雑草の除去には、草刈りがまが必要になります。三日月型で刃渡りが20cmくらいのものが標準的なものです。値段は数百円くらいです。雑草の根の張っている少し先に鎌の刃を差し込み、手前に引くようにして使います。
 そのほかに庭のゴミを集めるための熊手や、熊手に形が似ていて、金属製で花壇などを平らにならすのに使うレーキという道具など、耕作用具はいろいろありますが、あまり揃えても収納スペースがなくなり、ほとんど使わないものも出てくるので、自分の耕作にあったものを最小限そろえるのがいいでしょう。

    園芸用の刃物
 主に枝や幹を切ったりするのに使うのが園芸用の刃物です。剪定ばさみ、植木ばさみ、それに手が届かない高いところの枝を切るのに使う、高枝ばさみというのがあります。
 剪定ばさみ だいたい小指くらいの太さまでの枝を切るためのはさみです。工作用のはさみのように、輪の中に親指と人差し指を通して使うのでなく、親指と他の4本の指で握るようにして、いわゆる鷲掴みにして使います。大体草花から小指の太さくらいの木まで切ることができます。それより太い枝や幹を切るときには、鋸を使います。
 剪定ばさみは、ホームセンターなどにある千円強のものから、本職が使う一万円を超えるものまで様々な価格帯のものが出ていますが、安いものはすぐ刃が欠けてしまい、切れ味もよくないので、よくありません。大体3千円前後かそれより少し高いものがおすすめできます。なお、園芸専門店の他、大工や植木屋などの職人御用達の刃物を扱っている店だと、確かなものがおいてあって安心ですが、ちょっと入りにくいかもしれません。
 剪定ばさみは植物の茎や枝を切るためのもので、決して針金などを切るのに使ってはいけません。また、紙やビニールなどは切ることができません。
 植木ばさみ 盆栽ばさみともいい、働きは剪定ばさみとよく似ていますが、形はいわゆる工作ばさみと同じ、親指と人差し指を輪に通して使います。刃先が細くできていて、枝が密生したところにある細い枝を切るのに便利です。しかし、盆栽作りにこるようにならない限り、剪定ばさみが1本あればいいと思います。
 高枝切り はさみの2本の柄の、片方には竹やプラスチックの長い棒を、他方にはロープをつけ、手の届かない高い部分の枝を切るのに用います。ただ一般の人には少し使いにくい道具です。
 そのほかに、接ぎ木をするためのナイフや、植木用の鋸もありますが、一般の人ではあまり使い道がないでしょう。

      散水用品
 園芸家の間では「水やり3年」という言葉があります。水やりなどというのはいちばん単純な作業のように見えますが、草花や植木への水やりの仕方を見ただけで、その人の園芸に対する思い入れの深さがわかると言われています。
 そんな水やりですから、水まわりに関しても様々なグッズが販売されています。よく使うものとその選び方について見て行くことにしましょう。
 ホース 花壇や植え込みなどに水をまくときにいちばん簡単なのがホースにノズルをつけてやる方法です。庭に水道がある必要がありますが、水を入れた容器を運ぶ必要がなく、いくらでも出てくるのですから便利です。
 普通はビニールやゴムでできたもので、大きさや価格の違いなどはほとんどありません。巻き付けるリールとともに20bの単位で売られていることが多いようです。なお、使用後に、ノズルの栓を閉めただけ、あるいはノズルの栓を閉めた後水道の元栓を締めて終わりにする人が多いのですが、これではホースの中にいつも水がぱんぱんに残っていることになり、何かの拍子にホースに穴が空くことがあります。水道の栓を閉めた後、ホースの中にある水を全部出してしまってから終わりにするようにしましょう。
 ノズル ホースの先につけて、水の量や勢いを調節したり、また、水の出方をいろいろに変化させる道具です。噴水のように強く出すと、水は遠くまで飛びますが、泥を跳ね返すので、植物のためにはあまりよくありません。「じょうろ」の散水方式が付いているものを選びましょう。プラスチックでできたものが、千円以内で入手できます。
 如雨露(じょうろ) 如雨露は漢字で書くと「雨・露の如し」という意味で、植物に対してやさしく水をかけてやるための道具です。銅でできているものが高級品とされていますが、今はほとんど見かけなくなりました。ホームセンターなどにあるプラスチック製の500円くらいのものでも、普通の使用には十分ですが、水が少し漏るのと、耐久性に問題があるようです。取り外し式になっている水の出る部分のことを「蓮口(はすくち)」と言いますが、高級品は扇形と楕円形の二つが付いているのに対し、一般のものは楕円形だけです。大きさは2リットルくらいの物から10リットルくらいまでありますが、4リットルくらいの物が一番手頃でしょう。なお、蓮口は、上の方に水が出るようにして使った方が、水の出方がやさしくなります。
 水差し じょうろの蓮口がない代わりに、先が細くなっている容器です。草花の中には、シクラメン、グロキシニア、セントポーリアのように、頭から水をかけてはいけないものがあるほか、多くの「花物」は、花に直接水がかかると、花が傷んでしまうので、水差しが必要になります。百円ショップにも水差しはありますが、ある程度耐久性のある物の方がいいと思います。

   農薬関連
 園芸植物には様々な天敵があるほか、人間と同じように病気にもかかります。農家では、病害虫の他に、カラスやムクドリのような小鳥、また、野良猫、ハクビシン、たぬき、猿、ニホンカモシカなどの草食獣なども有害鳥獣になりますが、一般の人が鉄砲を持って追いかけるわけにはいかないので、病害虫の防除について考えてみましょう。
 一般の人のなかには、農薬と聞くと、諸悪の根元のように思っている人も少なくないと思います。アメリカから輸入される果物や野菜の中には、ポストハーベストといって、日持ちをよくするために、収穫後に大量の農薬を散布された物があるとか、98年になって問題化した環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)が、農薬に関係がある(実際に70種ほどある環境ホルモンのうち、8割近くが農薬、または農薬から導かれた化学物質で、さらにその大半は除草剤とされています)と思っている人も多いようです。確かに、必要以上の農薬散布は、決して好ましいことではありませんが、人口が増えたにもかかわらず、数十年前と比べて、高品質な農産物がこんなに豊富に入手できるのも、化学肥料と農薬のおかげと言っても過言ではありません。医者や薬の世話にならずに長寿を全うしたという人間がほとんど皆無であるように、現在は農薬無しではろくな園芸はできないのです。
 まずは道具から説明しましょう。
 噴霧器 農薬散布にまず必要な物は噴霧器です。家庭用の殺虫剤のように、中身が空になったら容器ごと捨ててしまう使い捨ての花壇用殺虫剤なども出ていますが、葉っぱから液が滴るくらい撒かないと効果がないので、これはかなり不経済です。半透明のプラスチックでできたアイロン用の霧吹き(これは百円ショップにもあります)を使うこともできますが、10坪かそれ以上の庭がある人は、専用の噴霧器をおすすめします。
 
現在は家庭園芸用の噴霧器も、ほとんどが電池による電動タイプになっています以前はステンレス製で、ピストンを押して圧力をあげて噴射する手動式が中心でしたが、それに比べて均一に簡単に散布できるからです。4リットル入りに物が、三千円から四千円程度で入手できると思います。
 計量スポイト 農薬は普通液体になってい乳剤などの原液を、500倍から2千倍くらいに水で薄めて使います。試験管のような計量器もありますが、農薬の瓶から直接計れるので、こちらの方が便利でしょう。プラスチック製で、0.5cc単位で30〜50cc計れるものが便利です。500円くらいで売られています。
 以前はBHC,DDTなどの粉剤というのがかなりあり、それらを散布するための散粉器というのもありました。今でも家庭の床下の消毒用などに、自治会などでこれを使って粉剤を散布することがあり、最近安全性などが問題になっています。液体に比べると散布している人や余分なところにかかりやすいからです。粉剤は使わなくても用は足りるので、使わない方がいいでしょう。
 しかし乳剤や水和剤など液体の物でも、散布の際には手袋やマスクは必要です。晴れて風がなく、少なくても丸一日は雨の心配のない日を見繕って、気をつけて使うようにしましょう。また、農薬を散布した後は、必ず手や顔を丁寧に洗いましょう。
 ここからいよいよ農薬の種類に入ります。
 殺虫剤 園芸を愉しむ上で一番の敵は何と言っても害虫です。害虫は植物の大事な葉・茎・根などを食い荒らすだけでなく、発芽したばかりの小苗を一晩のうちに全滅させてしまったり、また、病気の原因になるバクテリアやウィルスなどを媒介する物もあります。特にアブラムシは、樹液を吸うだけでなく、発生したら抜いて焼き捨てるほかに防除のしようがないモザイク病の原因ウィルスを運搬するので、バラや菊など花物には、夏は半月に一度くらい定期的に散布する必要があります。
 しかし一口に害虫と言っても、動物学的には多種多様な物が含まれています。一般に多いのは昆虫類ですが、200万種ほどある動物の種のうち八十何パーセントかは昆虫だと言うくらい、種類が多いのです。さらにダニは蜘蛛(くも)類というクモやサソリと同じ仲間ですし、園芸害虫としてはあまりありませんが、ムカデは多足類で、これら三つの仲間は、人間と雀と蛇くらい違うのです。また、ナメクヂとカタツムリは、サザエなどと同じ軟体動物の巻き貝の仲間です。
 まず、比較的多くの昆虫に効くものとして、マラソンとスミチオンがあります。これらは有機リン剤と呼ばれるもので、比較的毒性が少ないとされています。なお、農薬を散布するときには、必ず展着剤というのを少し混ぜてまくようにします。これを加えることによって、植物に薬がよく付着し、効果を高めるからです。、 

    園芸用土について
 昔は土などは地面を掘れば無尽蔵にあるものなので、わざわざ買うなどと言 うのはばかげたことだと思っている人が結構いました。しかし現在では園芸農家 の人たちでも、売っている土を利用する人がかなりあり、いわゆる「土屋」もか なりあるようです。土にはそのまま使う「培養土」と、花壇などの土と混ぜて使 う「土壌改良材」の2種類があります。
 培養土 「園芸の土」、「花壇の土」、「プランター用土」など様々な名前が付いてい ますが、そのまま容器に入れて草花や野菜、ハーブなどを植えるためのものです 。植物が生育しやすいように、水はけと水持ちがよい団粒構造の土になっていて 、また、しばらくの間は肥料をやらなくてもいいようにできています。この用土 が、普通の庭から取った土と一番違う点は、消毒してあって、病原菌やウィルス などの心配がない点です。だから、これを花壇に播いてしまって、花壇の土と混 ぜて使うのは愚の骨頂で、そのような目的ならたい肥などの土壌改良材を使うべ きです。
 パンジー用やハーブ用、菊用などの名前の付いたものは、それぞれの植物に合うよ うにできていますが、多少割高です。これは例えばハーブの場合は、地中海沿岸 の比較的乾燥したところが原産地のものが多いので、砂などを多く入れて水はけ がよいように注意してあります。「サボテンと多肉植物」だけは、川砂を中心としてごく水はけのよい土が必要ですが、それ以外は普通の培養土を用意しておけば十分です。
 培養土として必要な条件の一つに、団粒構造というのがあります。植物は根から水や、それに溶けた肥料を吸収して生育しますので、水持ちのよい土が必要です。一方、根は呼吸もしているので、全部または一部がいつも水に浸かった状態だと、いわゆる根腐れを起こして、弱ったり場合によっては枯れてしまいます。水持ち・水はけのよい土というのは一種のパラドックスで、砂のように粒が粗いと水はけがいい反面水持ちが悪く、一方、粘土のような土は水持ちは抜群ですが、水はけがよくありません。この両方を満足させるのが団粒構造です。
 団粒というのは、細かな粒がいくつか集まって大きめの粒ができたもので、細かい粒の間の水はなかなか抜けないが、大きい粒の間の水はすぐにはけるので、比較的水持ちがいい割に、根腐れを起こすことはありません。見たところ、土があまり細かくなく、数oの大きさの土がごろごろ入っている感じのものがいい土です。
 なお、「種まき用の土」として売っているものは、土の目が細かく、肥料分が控えめになっているものが理想的で、ピートやヴァーミキュライトなどが主成分になっています。しかし中には、それらの屑というか、粉のようになってしまったものを袋に詰めて売っていることもあり、以前買ってきたものの中には水はけが悪いどころか、固まって水を通さなくなってしまったものもありました。粉になっていないものを選ぶとともに、鉢や箱の下の方は普通の培養土を入れ、タネの接するところだけこれを使うのがいいでしょう。
 鹿沼土 栃木県の鹿沼市を中心にした地域でとれる土で、日本の伝統的な園芸植物である皐月(さつき)の栽培には欠かせないものとされています。オレンジ色で団粒構造を持っており、ほとんと病原菌がいないことから、挿し木などにも使われています。火山灰土なので、酸性が強いのが特徴です。
 赤玉土 関東ローム層の火山性の土で、前者によく似ているが粒が硬く、挿し木や種まきなどに使うほか、たい肥や腐葉土とともに培養土に配合されています。粒の大きさによって何種類か二分けて売られていることもあります。
 荒木田 水田の底土などに使われている粘土で、水持ちはいいが水はけは極端に悪いので、池などに入れて水生植物を植えたりするほかは、あまり使わないようです。相撲の土俵は、これを突き固め、その上に砂をまいて作ります。
 川砂 海の砂は塩分が大量に含まれているので、園芸には使えません。川砂は水はけをよくするために花壇の土に混ぜたり、仙人掌や多肉植物の培養土として主に使われています。また、菊の挿し芽など、柔らかい草本の挿し木や種まきなどにも利用します。
 ピート 上の「容器」の所でも述べましたが、北極圏を中心に無尽蔵にある、泥炭化した水苔です。
 たい肥 戦前の農業は、イネの藁や収穫した植物の残骸などは積んで発酵させ、さらに人間の排泄物も肥料として与え、土から得たものは全て土に返してやるのが原則でした。植物は有機物を肥料として取り入れることができないことから、化学肥料が万能の時代になりましたが、やはりたい肥などの有機物が土壌の小動物など有益な生物の成育を助け、病害虫に対する抵抗力を付けると言われています。
 現在「みのり堆肥」や「キノックス」などの商品名で売られているものは、バークと呼ばれる、材木加工や製紙の工場から出た樹皮などの屑を発酵させたもので、20キロ詰めのものが一袋600円くらいです。理想的には花壇1一坪当たり一袋くらい入れるのがよいと言われています。窒素分を1%弱含んでいますが、肥料と言うより土壌改良材です。
 腐葉土 闊葉樹(広葉樹ともいい、針葉樹以外の樹木)の落ち葉が原型を失いかけたくらいに発酵したものです。自分で培養土を作るとき、川砂や赤玉土などと一緒にこれを配合します。
 水苔 高級品から普及品まで様々の品質のものがあります。高級品は東洋蘭の植え付けに用います。洋蘭の鉢植えにも水苔は必需品です。そのほか、安価なものは鹿沼土と混ぜて皐月(さつき)の盆栽に入れたり、取り木に使うこともあり、また植木市などで売られている苗木は乾燥を防ぐために水苔で包んであることが多いものです。
 ヴァーミキュライト 雲母を発泡させたもので、体積の割には非常に軽く、金属光沢があります。水持ちが非常によく、水はけもさほど悪くなく、熱処理してあるため病原菌の心配もなく無肥料なので、種まきや挿し木などの培地として最適です。20リットル入りで500円くらいで買えるはずです。
 苦土石灰 これは土ではなく、酸性土壌を中和するために用いられます。「消石灰」は運動会のときラインを引くのに使うものと同じですが、酸性土壌ではマグネシウムも不足しがちなので、それを補うものが苦土石灰です。20キロ入りで300円くらいです。一坪当たり200グラム程度が適量です。なお、土地が酸性かアルカリ性かは、スギナやヨモギなどが生えていれば酸性、セイタカアワダチソウやブタクサなど、北米からの帰化植物の勢いがよければアルカリ性と思っていいでしょう。

    肥料について
 中学校の理科の時間などで、植物と肥料の関係について、少し習ったのを覚えている方も多いと思いますが、一応基礎知識から説明することにします。
 動物の「えさ」に当たるのが植物の肥料であることは、言うまでもありません。我々動物は、種類によって必要な栄養素は微妙に違ってきますが、動物は全てエネルギー源や、躰を構成する基本要素であるタンパク質や脂肪など、自分で合成することは全くできないので、でんぷんや脂肪、タンパク質などを、他の生物から「横取り」して生活しているわけです。つまり、ミネラル(カルシウム・カリウム・鉄など)以外は、有機物と呼ばれる高分子の複雑な化合物を取り入れて、それを分解、つまり消化し、吸収して利用しています。
 これに対し、植物は、アミノ酸や脂肪、炭水化物などの有機物を自分の力で合成します。しかも、エネルギー源となる糖質は、空気中にある二酸化炭素と根から吸い上げた水、それに太陽光線のエネルギーを使って合成するので、肥料として根から吸収する必要はありません。
 必要となるのは、植物体を作るために必要なタンパク質(アミノ酸)の原料である窒素、これが肥料としては最も重要で、植物が吸収する元素の半分以上は窒素だといわれています。他に花を咲かせて実をならせるために必要な燐酸と、根を十分に張らせて、病害虫への抵抗力を養うのに必要なカリ、ここまでの三つが肥料の3大要素ということになります。ほとんどの肥料の包みには、10-7-5とか、8-8-8など、この三大要素の値が書かれています。
 このほかに、植物にはかなりの量のカルシウムや、また葉の緑色の成分である葉緑素には塩素や鉄が含まれるなど、15種類ほどの元素を肥料として吸収することがわかっており、これらを微量要素といいます。水栽培や人工の土壌で栽培する場合は、これらの微量要素を補ってやらなければならず、そのための肥料というのもできていますが、一般の土壌や、培養土を使って栽培する場合、微量要素は無視してもよいといわれています。
 先ほど動物はえさとしてかなり複雑な有機物を栄養として摂取することを書きましたが、植物の場合は「元素」単位になります。もっとも、単体の元素の肥料というのは存在しないので、普通は塩(えん)などのごく簡単な化合物として摂取することになります。植物が吸収しやすい簡単な物質を化学的に合成して作った肥料が化学肥料で、戦後作物の生産性を著しく高めた功労者がこの化学肥料です。
 しかし植物が育つ土壌には、目に見えるモグラやミミズだけでなく、実に多種多様な小さな生物が一緒に暮らしています。この中には、植物の根や茎などをかじって被害を与える害虫や、病気の原因になるかび・バクテリア・ウィルスなどの有害な生物も少なくありませんが、落ち葉や植物の残骸、動物の死骸などを分解したり、食べて糞にして再び植物の肥料となる物質にしたり、動き回って土の中の風通しをよくして植物の呼吸を助けたり、害虫の天敵になるなど、植物と共生している有益な生物もたくさんいます。
 戦前までは肥料、つまり肥やしといえば、下肥(しもごえ)のことでした。あの恐るべきにおいのする人間の排泄物です。家畜の糞や、収穫の時に出る葉っぱや根っこ、稲藁なども堆肥にして土に戻していました。土から得たものは、利用後は必ず土に返すという循環が成り立っていました。、
 収穫したものは全て畑から奪い去り、その分を化学肥料で穴埋めするやり方を、収奪(しゅうだつ)農法というようになりましたが、有益な生物の活動も押さえてしまい、また、不足する心配のない微量要素が不足するようになり、作物が病害虫に犯されやすくなったり、収穫量が落ち、もっとひどくなると作物がほとんど育たない土壌になってしまうなどの問題も出てきています。アメリカには何千町歩という大きな規模のトウモロコシや小麦の農場がありますが、表土がなくなって農耕が不可能になった土壌が出てきているそうです。
 それに対する反動として最近よく言われるようになったのが有機農法です。有機農法の基本は「堆肥」を作って土に返してやることです。枯れて抜いてしまった植物や、生ゴミなどを取っておき、それを発酵させて堆肥にし、土に戻してやる方法です。最近簡単に堆肥を作る道具ができているので、それを使うと便利ですが、場合によっては悪臭を発散するので、人家の近くではちょっと使いにくいのが難点です。 最近自治体のごみ処理で、リサイクルを前提とした分別収集が定着してきましたが、せっかくやるなら、生ごみも可燃物とは分別して、堆肥にするなどの有効利用ができればいいと思います。
 手軽にできるのは、市販の堆肥を買ってきて土に混ぜてやる方法です。堆肥は農協などに行くと、20キロ入りの大袋が600円くらいで売っていると思います。理想的にはこの一袋を花壇一坪に入れてやるのがいいと言われますが、その半分か3分の1でもいいと思います。そのほかに下記のような、天然肥料を使うこともいいと思います。 なお、堆肥の代わりに、市販の培養土を花壇に入れて混ぜて使っている人がかなりいますが、これは無駄というものです。あの培養土は消毒済みであることに意義があるわけですから、鉢やプランターなどに、他の土と混ぜないで使用します。
  市販されている肥料
 まず、天然肥料、つまり化学肥料でないものから説明します。天然の肥料は肥料成分が少なく、また遅効性といって、効き目が穏やかで徐々に現れます。ほとんどは動物または植物に由来する有機物で、発酵または腐敗しないと肥料として役に立ちません。しかし肥料になる過程で様々な微生物の働きを受け、それらの活動を盛んにするため、生き生きした土壌を保つことができます。
 油粕(あぶらかす) 地方によってタネ粕とも言います。アブラナまたは大豆の種から油を絞ったあとの粕を乾燥したもので、淡黄色の粉末です。窒素分約5%とリン酸2%を含んでいます。発酵させないと肥料としての効果がないばかりか、発酵熱によって植物の根を傷めてしまう危険があるので、水でしめらせて発酵させる(ただしかなり強い悪臭がします)か、根から離れたところに溝を掘って埋めてやります。なお、自宅で発酵させるとかなりの悪臭があり、また季節によっては蠅が発生します。発酵済みのものも売っていますがかなり高価です。普通の油粕は、20キロ入りで千円以内で買えるはずです。
 骨粉(こっぷん) と場などから出る獣畜の骨を砕いて顆粒状にしたもので、天然のリン酸肥料として使われています。
 魚粉(ぎょふん) 鰯などの捕れすぎた魚を熱処理した後つぶして乾燥させたもので、窒素とリン酸肥料になります。これも発酵・腐敗して肥料になるため、腐るときに悪臭を放ちます。
 牛糞(ぎゅうふん)と鶏糞(けいふん) 家畜の糞のうちで、牛糞と鶏糞は窒素・燐酸・カリを1〜2%含み、肥料と言うより土壌改良材として使われています。乾燥品なので、糞といってもそれほど臭いはなく、植える前に土にすき込んで混ぜてやります。そのほか、馬糞も肥料として使えますが、馬の数が少ないので、あまり出回っていません。
 市販品にはありませんが、米のとぎ汁は、下水に流すと水質悪化の原因になる困り者ですが、水まきの時に水で薄めて施してやれば肥料になりますし、レギュラーコーヒーの粕などもよい肥料になります。またワラ灰(完全に灰にしないで消し炭状にしたもの)は、良質のカリ肥料であるばかりでなく、酸性土壌を中和させる働きがあります。大菊を作っている人たちの間では、木や草の消し炭を燻炭(くんたん)といい、定植の時には必ず一割程度混ぜるようにしています。
  化成肥料
 
化学肥料の中で、窒素・燐酸・カリを適量に配合してそのまま畑や花壇、鉢などにまいて使えるようにしたものを化成肥料(化学合成肥料)といいます。油粕などを混ぜて作った有機配合肥料というのもあります。家庭で草花・ハーブ・野菜などの全てに使えるものは、8-8-8くらいの配合になっている化成肥料で、20キロ入りが千円前後で買えます。根に直接ふれないように与えなければなりません。即効性で、与えるとすぐに効果が現れますが、やりすぎるといわゆる「肥え当たり」を起こして逆効果になることがあるので、控えめに与えた方がいいでしょう。 大体の目安としては、8-8-8の化成肥料の場合、元肥として入れる場合、花壇一坪当たり200〜300グラム、追い肥の場合は、1年でおおよそそのくらいの分量と言うことになります。
 家庭園芸用に、使い方が簡単なものとして、顆粒状のマグアンプKと水に溶かして使うハイポネックス(粉または液体)が出ています。どちらもアメリカの製品で、前者は根元にまいておけば植物が必要なだけ肥料を吸収し、1年以上効果が継続すると言われています。また後者は、1升の水に茶さじ1杯くらいを入れてよくかき混ぜてじょうろを使って与えます。そのほか液体状のものもありますが、普通の化成肥料に比べ、十倍くらいの値段ですので、高級鉢物用と考えた方がいいでしょう。
 化学肥料にはこのほかに単肥といって、硫安・尿素・過燐酸石灰・塩化カリなど単独の化合物のものがあります。そのまま畑にまいたり、水に溶かして使いますが、農業にかなり詳しい人以外は、使い方が難しいので、手を出さない方がいいでしょう。
 肥料の入手先については、農村地帯には肥料店という農家専用の店があり、また、農協にもそろっており、値段も安価ですが、その土地で作付けされている作物用のものしかないことがあります。たとえば稲作地帯なら稲用、りんごの村ならりんご用しかないといった具合で、むしろ花やハーブ用は少ないと言った方がいいかもしれません。ホームセンターや大型園芸店には、花卉園芸用の肥料の大袋があります。20坪ほどの花壇があれば、年に10キロくらいの肥料は必要なので、1キロや2キロの小袋は割高になります。
 

    園芸グッズをどこで買うか
 95年ころからガーデニングブームの加熱とともに、郊外型の大型園芸店が できたり、またホームセンターや郊外の大型スーパーには、「園芸館」などの名 称で、園芸部門を独立させたところも増えています。屋外の売場と温室を併設し て、植物は草花・ハーブ・植木・洋蘭からサボテンや山野草までそろえてあり、グ ッズの方も土や肥料などは1キロ前後の小袋から20キロ入りの大袋まであり、 値段もリーズナブルと言っていいでしょう。
 昔からある種苗店は、個人経営が多いので、品揃えや価格など、大型店に太 刀打ちできないところがありますが、何よりの長所は主人や店員と親しくなれば 、気兼ねなく質問したり、また自分にあった商品を買うことができる点です。日本は気候や土壌が複雑に入り組んでいることもあり、その土地に合った育てやすい植物を知っている人が多い点でも安心です。ま た、新商品やお買い得品なども教えてもらえるので、スーパー方式の店よりかえって安くいいものを買える可能性もあります。
 ただ残念なことに、ヨーロッパの商人は「マスター」と呼ぶにふさわしい、 その商品に関しては第一人者といってもいい人が多いのですが、日本の商人は欧 米に比べ、「お勘定」の方は遙かに達者ですが、商品に対する知識は素人とさ して変わらない人が多いのが現状です。せっかく農薬が並べてあっても、○○虫 が出たので何を散布したらいいか、などというごく簡単な質問にも答えられない店 員があまりにも多いのです。個人商店が次々に廃業し、街が歯の抜けたような光 景になっているところが目立ちますが、店の人と楽しく語り合え、それほど高く なく、安心して買える商品を提供すれば固定客の増加につながると思うのですが。
 農村地帯には、洋らん、観葉植物、草花などを生産している農家が経営する直売店も増えています。その店が専門とする分野に関しては、品数も豊富で値段も手頃で、有用なアドバイスも聞けます。専門のほかに、売れ筋の草花苗や、培養土、鉢、プランターなども揃えてあり、かなりの商品が揃うところもあります。
 剪定ばさみやナイフなどの刃物類は、大工や植木屋さんなどの職人を相手に 商売をしている刃物屋がちょっとした町なら1軒や2軒はあるはずです。ホームセ ンターなどに比べて値段は高めですが、本職の人たちが使っているものなので、 ほとんどはずれはありません。店の人も商人と言うより一種の職人なので、あま り人好きのしない人が多く、入ったり声をかけたりしにくいのが難ですが、こう いう人たちは親しくなれば案外に付き合いやすく、後々の面倒も見てくれます 。実は、小生の場合は、同じ隣組にこの商売の人がいて、大工道具から調理用品まで扱っており、よく利用させてもらっていま す。
 たい肥や肥料などは、農協でも買えます。昔は組合員以外には販売しないと ころがほとんどでしたが、現在は一般人にも売ってくれるところが大半です。 ほとんどの商品は20キロの大袋の単位ですが、たい肥などは理想的には一坪に これ一袋くらい入れるべきものですし、肥料も物置の隅にでも置いておけば5年 や10年は持ちますから、10坪以上の庭のある人なら、油粕と花卉用の 配合肥料などを用意しておけばいいでしょう。
 「ハーブ・草花のタネをどこで買うか」のところでも書きましたが、園芸種苗が 通信販売の「元祖」であるとともに、園芸用品の通信販売も盛んに行われていま す。大きくかさばるものは、送料が高くつき、かなり割高ですが、近くにほしい商品がないときなど、利用するといいでしょう。サカタのタネなどのカタログを見ると、最後の方に十数ページにわたって、肥料・農薬からさまざまな園芸用品が紹介されています。中には地方の園芸店ではまだ販売されていない新商品もあり、割高でもほ興味のあるものは買ってみる価値があります。