最新情報:2011年5月6日
2011/5/6 島田市民の皆さん・関係業者の皆さん,市職員の皆さん,高裁と最高裁で「競争入札妨害」で違法性を認定された桜井勝郎市長に怒りの声を上げませんか!「天の声」「談合」「癒着」に関する情報を求めます
第1 最高裁の決定と判決
 1 最高裁判所は2011年4月12日島田市長桜井勝郎氏からあった「上告受理の申立」を却下し,4月19日には「上告を棄却する」判決を下し,2009年9月9日東京高裁第9民事部(大坪丘裁判長)が命じた判決(「島田市長は桜井勝郎個人及び有限会社島田鉄工環境システムに対し,それぞれ162万6393円及びこれに対する2006年4月29日から支払い済みまで年5分の割合による金員を請求せよ」)は4月19日確定しました。

第2 事件の経過
1 ことの発端
 疑惑の発端は,2005年1月毎日新聞静岡県内版で,小林慎記者が廃プラ問題の不明朗性を精力的に取り上げたことが,始まりであった。
 市議会厚生常任委員会での質疑等があったが,追及し切れず,住民は2005年3月30日島田・榛原地区広域市町村圏組合(以下広域組合という)監査委員に対し,住民監査請求をなした(同組合の解散の1日前)。
 5月2日には解散した同組合を引き継いだ島田市監査委員に対し,審査の申入れをしたが回答がないため,6月24日付で静岡地裁に住民訴訟を提起した。
2 1市6町で組織する島田・榛原地区広域市町村圏不正疑惑事件の年表
(1) 2002年10月8日,桜井勝郎島田市長(広域組合の管理者)が,本件業務委託契約の債務負担行為の専決処分をする。
(2) 10月11日,制限付一般競争入札の公告がなされる(申請書等の提出締切日10月25日,入札日11月22日)。
(3) 10月16日,広域組合の担当者A,B氏が市長に呼び出され,入札方式をやめ,プロポーザル(随意契約の一種)でやるように指示される。
(4) 10月18日,有限会社島田鉄工環境システム(以下,「シ社」という)が急遽設立される。
 同社は,約80社の企業で組織する「島田鉄工協同組合(以下,「鉄工組合」という)」が全額出資。理事長はSM氏。
 桜井勝郎島田市長は,2001年の市長初当選前まで,桜井資源の社長であり,鉄工組合の副理事長であった。
 桜井勝郎氏が初めて県議選に出たときの後援会長はSM氏であった。
(5) 参加締切日の10月25日までに,シ社,島田市のR社,吉田町のS社の3社から入札参加の申し込みがあった。
(6) 10月28日,広域組合は業務委託決定方法の変更について公告した。事業計画書・見積書の提出締切りは11月11日。
(7) 11月11日締切日,上記3社が提出。
 吉田町のS社の見積が一番高く,2番がシ社,1番低いのがR社であった。シ社はR社よりも年額1200万円高かった。R社の会長は控訴審(東京高裁)で,委託料を月300万円(年3600万円,5年で1億8000万円)の見積書を提出したと記憶する旨の陳述書を提出している。
 従ってシ社は年額4800万円(5年で2億4000万円)で見積書を提出していたと考えられる。
(8) 11月14日,広域組合事務局はR社とシ社が5年間分の一括見積を提出すべき処を単年度分でしか出していなかったため,5年間分の一括見積を出すよう両社に指示を出した。
 この間,R社の会長は「入札が随契に変わったことで桜井市長の意向を感じ取り,11月に入って市長を訪ね,『廃プラは鉄工組合(シ社)で決まりでしょうから,もう諦めますよ』と述べたところ,市長は『鉄工組合は苦しいから助けてやってくれよ』と言いました。
 この当時,R社会長の次男である営業担当に対し,広域組合の担当者A氏から5年間分の見積額に書き替えるよう指示があった際に,あれこれ見積額の上乗せのための注文が出たことと,会長からシ社で決まりと聞かされていたことから,次男は真剣に見積もりに取り組むやる気を失っており,1回目より相当高くして,見積書を出し直した」旨の陳述書を控訴審で提出している。
(9) 11月15日(金)・16日(土),A氏は市会議員の他県への視察に同行し,11月17日(日)に休日出勤して,R社とシ社の提出し直された見積書を見た。やはり,R社が1番低かった。
(10) 11月18日(月)午前,
@ A氏は市長に3社の見積額を報告し,提出された見積額がいずれも専決処分していた債務負担行為の金額2億0500万円を超えていること,このまま行くと広域組合議会の再度の議決が必要となることを報告した。
A すると市長は,後で連絡するので待ってくれと言った。
B 市長からA氏宛電話があり,「鉄工組合が書類を持ってくるもんで,前のと交換してくれ」と言ってきた。
C 同日午後,鉄工組合のT氏とK氏(桜井資源の総務部長)が来て,A氏に「市長から連絡あったと思うけど」と言って書類を差し出し,A氏は従前の見積書と交換した。新たに差替えられた見積額は1億9450万円(消費税込みで2億0422万5000円)であり,債務負担額である2億0500万円とはたったの775,000円しか差はなかった。
(11) 11月25日の審査会当日は市長も出席し,1番低い見積額を出したシ社に決まった。
(12) 2005年1月毎日新聞が廃プラ問題の不明朗性を最初に精力的に取り上げ,市議会厚生常任委員会が桜井市長らを追及するも,追い切れず鎮静化した。
(13) 2005年3月30日,住民,市議らが広域組合監査委員に監査請求。
 3月31日,監査委員は広域組合が3月31日を以って解散となるから,結論を出すことが出来ないと請求人に通知してきた。
(14) 「広域組合の解散についての覚書」に基き,5月2日付で島田市監査委員に対し,本件監査請求を島田市において審査するようにとの「申入れ書」を提出したが,応答がないため,2005年6月24日,18名で住民訴訟を提起した。
 提訴時,島田市内の居住者が14名,榛原町2名,吉田町1名,川根町1名でした。
3 住民訴訟の経過
(15) 原告側は,広域組合の理事や担当のA氏,R社の会長,吉田町S社の社長から事情を聴取する中で裁判を進め,
 2007年2月15日,桜井市長の証人尋問があり,同日結審となりました。原告側は裁判所に事件のキーパーソンA氏の証人申請をしていましたが,一審裁判所は偏頗にもこれを採用しませんでした。
(16) 2007年4月11日,原告であり市議の津田惠子と同福田正男の両氏が桜井市長の法廷証言を,偽証罪で告発をし,静岡地検はこれを受理しました。
(17) 5月10日,一審判決(川口代志子裁判長)は,請求を却下と棄却しました。
 提訴後,取り下げる原告もいて,判決時の原告は島田市居住の13名でした。控訴時の控訴人は6名で一般市民2名,島田市議4名となりました。
(18) 静岡地検での取調べが近付く2007年7月19日,A氏より当弁護人に電話があり「実は今迄皆さんに伝えていなかったことがあります。それは市長の指示を受けて書類を差替えたことがあります。検察官の調べではそのことを述べた方がいいでしょうか」というものであった。当弁護人は「検察官には真実を述べて下さい」と伝えた。
 A氏は「本当のことを述べたことで,自分が罪に問われることはないでしょうか」と云うので,当弁護人は「Aさんが罪に問われることはありませんよ」と答えて電話を終えた。
 7月27日のA氏の検事調べが,担当検事の都合で変更となった。当弁護人は,上記書類の差替えの詳細を聞きたく,8月2日にA氏と会った。
 そこで,A氏は自分の手帳を見せながら,上記年表に関わる事実を語ってくれたのであった。
 そこで,8月30日,当弁護人は,市長が競争入札から随意契約に切替えた市長の行為は違法無効,かつ当初の見積書を差替えるという刑法93条の3競争入札妨害罪に該当する違法行為を犯して,審査会をしてシ社に決定させて契約したものであって,業務委託契約は違法無効であるとする控訴理由補充書とA氏の手帳を提出,
2008年1月21日,A氏の陳述書提出,
     5月19日,A氏と被控訴人(島田市長)申請の証人尋問を実施,
     8月20日,結審,判決言渡しは9月24日1時15分と指定
    @9月24日,判決当日になって判決言渡延期
職権で裁判が再開され10月10日,11月19日,12月19日,2009年1月26日に弁論準備期日があり,3月2日結審,
    A判決言渡期日が2009年5月13日1時15分と指定されました。しかしながら,
    B2009年6月24日の判決言渡が延期,
    C     8月5日の判決言渡が延期,やっと
    D     9月9日判決言渡実現となりました。
(19) 同判決では,(イ)「その見積金額は,シ社から広域組合に一旦提出された後,差し替えられているのである。そして,これについてはAが,2002年11月19日午前ころ,桜井に対し,委託先候補3社の各見積金額(シ社の見積額が最も高い金額となっていた。)及びこれらがいずれも債務負担行為の金額を超えるといった問題点を伝えたところ,桜井が,Aに対し,後で連絡するので待つよう伝えた上,同日午後になって,シ社が書類を持ってくるので前のと交換するよう指示し,シ社の関係者が,同日夕方,広域組合事務局を訪れ,見積書と試算表の部分を差し替えたという経緯があるのである。その結果,シ社の見積金額は減額されて1億9450万円(消費税込みで2億0422万5000円)となり」,
 (ロ)「債務負担行為の金額を当時知っていたのは桜井の外ごく少数の者しかいなかったこと……(中略)……@桜井は,シ社を委託業者に選定させようと考え,シ社に対し,他の委託先候補2社の各見積金額及び専決処分していた債務負担行為の金額を伝えて,見積金額を差し替えるよう促し,これに基き,シ社が債務負担行為の金額ぎりぎりの見積金額を本来の期限後になって差し替えたものと推認されるというべきである」,
 (ハ)「桜井は,当初から自分の関係の深いシ社に本件事業を受注させることをもくろみ,一般競争入札の方法を採ると情実を入れることが困難になるため,いったん決定された一般競争入札をやめるよう指示し,自分の意向を入れやすい随意契約の方法によることに変えさせ,かつ,シ社に対してのみ債務負担行為の金額等を教え,提出期限が過ぎているのに見積書の金額部分の差替えを認めるよう事務局に指示し,結果としてシ社の提案した条件が一番有利なものになるように図って,シ社を受注先に選定した」,
 (ニ)「随意契約の方法によって特定の相手方と契約したことにつきいわゆる他事考慮が働いているなど攻勢を妨げる事情が認められる場合には,その契約担当者の判断は裁量権の濫用になるというべきである」,
 (ホ)「明らかに公正を妨げる事情が認められるというべきである。……(中略)……本件で随意契約の方法によったことは違法であり,……(中略)……そうすると,本件契約は私法上も無効になるというべきである(最高裁昭和62年5月19日第三小)」と認定しています。

第3 まとめと呼びかけ
1 市長が競争入札を随契に切り替え,しかも市長自らが相見積価格を自らが関係の深い会社に漏洩し,その会社が見積額を差替えたということが住民訴訟の中で暴かれたという事件は,寡聞にして聞いたことがありません。
 競争入札妨害は刑法96条の3に抵触するもので懲役2年以下又は罰金250万円以下の立派な犯罪です。残念ながら刑訴法250条5号で,3年の公訴時効は成立しています。しかし,桜井勝郎市長が犯した犯罪行為は消えるものではありません。
2 島田市民の皆さん怒りの声を上げませんか。泣かされている業者は声を上げて下さい。廃プラ住民訴訟では,市の担当者の尋問をしましたが,市の担当者は市長を守るために真実の証言や陳述をしていなかったのは明らかです。私は島田市阿知ケ谷の土地払下げの住民訴訟を担当しましたが,この訴訟は1・2審とも住民側敗訴で終わりました。阿知ケ谷事件でも,市の担当職員の証人尋問を担当しましたが,廃プラ事件の経験から市の担当職員がどこまで真実を証言していたのか甚だ疑問を感じています。市職員の皆さん,公正な市政実現のために声を上げる時です。電話,FAX,メールで島田市役所の「天の声」「談合」「癒着」に関する情報を求めます。但し無償です。秘密は厳守します。
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