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クーラーやエアコンなどの世話にならずに数十年を過ごしている身体ゆえ、
夏は暑いのがあたりまえと、辛抱をそれほどいとわない。
と言いつつ、処暑や白露などの秋の兆しを嘲笑うような、酷暑のしぶとさに嫌気がさしている。
さてさて、過ぎ去った夏の記憶を辿ると、今年のような猛暑とともに何度かの曲がり角の夏を思い出す。
もっとも古い記憶は、そう22歳の夏。世の中の景気も芳しくなく、学生時代最後の年でありながら
学業不出来の学生には就職活動もままならなかった。
そして、人並みに好きな人ができたりもしたが、思いかなわぬ夏でもあった。
次の厳暑の夏は・・・・・そう、三十二歳だった。
十年近く勤めた会社が倒産し、残務処理と職探しに大わらわ。
秋風が吹く頃、自分の人生で、たぶんもっとも大きな曲がり角を抜けたのだった。
それからまた十数年、その夏は四十代の後半。
親しんだ仕事と人との別れを決意して、人生二度目の大きな曲がり角を抜けた。
そんなこんなで、さらに十年近くが過ぎた今年の夏も、厳しい暑さが続いた。
ささやかではあるが、でも記憶に残る夏であった。
観測史上もっとも暑い夏とか言われつつ、それでも季節は巡り、間もなく秋は来る。